横須賀イベントの杜撰な応募システム【なりすまし&転売】

今までリアルイベントで散々不具合を起こしてきた運営ナイアンティックが、2018年8月29日~9月2日に、日本の神奈川県横須賀市でリアルイベント、Pokémon GO Safari Zone in YOKOSUKAを開催した。
激レアのアンノーンと、アフリカ限定のトロピウスの出現が告知された。
シカゴのイベントで訴訟されたトラウマもあり、サーバーの負荷を抑えるため、抽選方式で参加者を募集した。
しかし、この応募システムがあまりにも杜撰で、ユーザーの怒りを買った。

まず、このイベントの公式サイトの参加応募方法について説明しているページを見てほしい。
参加応募方法 | Pokémon GO Safari Zone in YOKOSUKA 横須賀
このページから、いくつか引用しながら説明していく。

参加応募には、当選結果の連絡用の有効なメールアドレスと、参加応募される方全ての『Pokémon GO』トレーナーニックネーム(最大3つまで)が必要です。
そう、応募にメールアドレスが必要なのだ。
そして、ここからが本題。

当選結果のご連絡メールアドレスは、『Pokémon GO』アカウントで使用しているメールアドレスと別のものでも、ご応募いただけます。
応募時に入力したメールアドレスと、ゲームのアカウントが紐付いていない、つまり、トレーナーIDさえ分かっていれば、無関係な第三者がなりすましで応募出来たのだ。
トレーナーIDはジムにポケモンを配置している時や、他のプレイヤーと一緒にレイドした時に、周りのプレイヤーに公開されるので、誰でも見れるものである。
6月22日にフレンド機能が実装され、ネットでトレーナーIDを公開している人も多かった。

申込受付後のキャンセル、変更等は、一切できません。
一度なりすましで応募されてしまうと、応募し直すことができない。
仮になりすましで応募された自分のトレーナーIDが当選しても、当選通知も、参加に必要な二次元バーコードもなりすましのメールアドレスに送られてしまう。

このザル仕様を利用し、嫌いなプレイヤーをなりすまし応募する悪質なプレイヤーが多数表れ、プレイヤーは大混乱に陥った。
慌てた運営は問い合わせフォームで、なりすまし応募への対応を始めた。

しかし、この対応が良くなかった。
第二ラウンドの開始である。

問い合わせフォームにもメールアドレスを入力しなければならなかったが、なりすまし応募で使われたメールアドレスを知る方法がないし、仮に知っていて、入力したとしても、問い合わせの返信メールをなりすましが受けとることになってしまう。
つまり、なりすまし応募のキャンセルには、応募で使われたものとは、全く別のメールアドレスを使うことになる。
そして、応募情報とゲームのアカウント情報が紐付いていないので、運営はどの応募がなりすましなのか判断がつかない。
もうお分かりだろう、今度は無関係な第三者が、健全なプレイヤーの申し込みを、なりすましでキャンセルし始めたのだ。
プレイヤーは応募期間が終了するまで、なりすましキャンセルされないか、確認し続けるハメになった。
もちろん、当選発表までなりすましのことなど知らず、気づかないうちにキャンセルされたプレイヤーもいただろう。
公式サイトに、申し込み受付後のキャンセルはできないと明言されていたのだから、安心しきって、放置したままのプレイヤーがいてもおかしくない。

なりすまし応募の裏で、別の問題が進行していた。
それは、複数アカウント(以下複垢)での応募である。
アカウントが紐付いていないせいで、複垢かどうか判断できなかった。
それどころか、存在しない架空のアカウントでの応募すらも可能だった。
これらの不正プレイヤーのせいで、他のプレイヤーの当選率が大きく下がった。

不正まみれで落選者が続出し、プレイヤーが阿鼻叫喚する中、無慈悲にも第三ラウンドのゴングが鳴った。

ヤフオクやメルカリで、参加券が転売され始めたのである。
業者が架空のアカウントで大量応募し、参加券を売りさばいていた。
必要な元手が0なので、リスクも0、不正まみれで当選者が少なかったことから、参加券の価格は10万円近くまで高騰した。

参考元:【悲報】ポケモンGOの横須賀イベントが当選発表 → マッハで参加券が転売される | ロケットニュース24

横須賀イベントの当選発表前に、スペシャルウィークエンドというイベントが開催されていたが、そのイベントはアカウントとコードが紐付いておらず、誰でも使用可能だったので、今回のイベントも同じ仕様だと考えるプレイヤーが多く、法外な値段でも、参加券を購入するプレイヤーがいた。
参加応募方法についてのページに、
三者から譲渡された参加券や購入した参加券、不正に入手された参加券の使用においては、動作を保証しておりません。
と書かれてあるのも後押しした。
本当に動作しないのなら、動作しないと明言して、転売を抑止するべきであり、しない理由がない。
転売されればされるほど、イベントと横須賀市のイメージが悪くなってしまう。
つまり、保証しておりません、などという曖昧な言い方をするということは、動作する確率が高い。
そして、プレイヤーの予想通り、実際に動作した。

こんな状況にも関わらず、
トレーナーの皆さんのご協力と情熱のおかげで、この夏の「Pokémon GO サマーツアー2018(横須賀を含む、この夏に開催されたイベント群)」は素晴らしいイベントとなりました。
などとふざけたことを言っている。
引用元:活況を呈した「Pokémon GO Safari Zone in YOKOSUKA」とともに、「Pokémon GO サマーツアー 2018」が閉幕! - Pokémon GO


最後に
お一人様1回(1日)のみ、ご応募いただけます。
三者へ譲渡・転売することは固くお断りしております
などと運営は言っていたが、全てのプレイヤーが運営の言うことを聞くわけではない。
プレイヤーが全員運営の言うことを聞いて、不正をせずに清く正しくプレイしてくれるのが理想だが、理想はあくまでも理想であり、実際には、悪どいことを考える輩が一定の割合で出てくる。
特に今回のように金銭が絡んだり、匿名のネット上だと、それはより顕著である。
そんなことはわざわざ説明しなくとも、皆が理解している常識であるが、そんなことすら運営は理解できていない。
自分が言ったことに全てのプレイヤーが従うなどと思っている。
まるで自分を神だと言わんばかりの傲岸不遜な態度である。
そもそも、ユーザーの意見ガン無視や、その他多くの不祥事のせいで、運営には信用も発言力もない。
運営が自分達の異常さに気がつくのは一体いつになるのやら。


その後
2019年2月23日開催の、ソフトバンクスペシャルウィークエンドで転売が行われた。
ソフトバンクのスペシャルウィークエンドの延期と転売 - 茎ワカメのポケモンGOブログ
このイベントの参加券は大体2000円ほどで取り引きされており、横須賀の参加券と比べれば値段が低い分、被害は少ないが、ゲームのアカウントと紐付けするだけで対策できるのに、何故やらないのか。
横須賀でこれだけやらかしても、相変わらず運営は何も反省しなかった。